始まりは勤怠の乱れから~職場でよく見られるメンタルヘルス不調の事例1~

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始まりは勤怠の乱れから

Aさん(30歳男性)は、自動車部品の製造工場に勤務して10年目の中堅社員です。勤務態度も真面目で、現場の製造ラインの業務に主任として従事しています。

そんな中、海外の現地法人設立に伴い、殆どの業務が海外に移ってしまいAさん部署は無くなってしまいました。Aさんは新設されたばかり部署に異動し、いままで経験したことのないような業務と慣れない人間関係に身を置くことになりました。

Aさんはもともと黙々と仕事をするのを好む性格で、人付き合いも苦手でした。新しい部署では、人間関係の連携が必要で、コミュニケーション能力を求められるため、寡黙なAさんは、日々ストレスを抱えるようになりました。

そうしているうちに、寝付きが悪くなり、睡眠不足が続き、ミスが出るようになり、更には、遅刻や欠勤を繰りかえすようになっていきました

このように、職場でよくあるメンタルヘルス不調者の事例として、当初は遅刻や早退、欠勤など、勤怠の乱れから始まることが多いようです。中にはこれら勤怠についての問題はないものの仕事の効率が落ちたり、自席を頻繁に離れるようになったり、ミスが多くなったり、職場でトラブルを起こしたりと何らかのサインを出しています。具体的に以下のようないつもと違う勤怠の乱れが出始めたら、注意が必要です。

「いつもと違う」様子

・ 遅刻、早退、欠勤が増える
・ 休みの連絡がない(無断欠勤がある)
・ 残業、休日出勤が不釣合いに増える
・ 仕事の能率が悪くなる。思考力・判断力が低下する
・ 業務の結果がなかなかでてこない
・ 報告や相談、職場での会話がなくなる(あるいはその逆)
・ 表情に活気がなく、動作にも元気がない(あるいはその逆)
・ 不自然な言動が目立つ
・ ミスや事故が目立つ
・ 服装が乱れたり、衣服が不潔であったりする

上司としては、このようないつもと違う部下の様子に、早めに気づく必要があります。
ただし、日ごろから部下様子を知っていなければ、変化を見落としてしまいます。

部下の①~⑤の変化を把握します。
① 職場環境や仕事内容の変化があった
② 業務繁忙が続いている
③ 長時間労働がある
④ プライベートで不幸な出来事があった
⑤ 職場での人間関係の悪化があった

このような原因が考えられる場合は、特に注意が必要です。
出来る限り早期の対応が望まれます。

「いつもと違う」部下への対応の手順

関心と気配り
 ・日頃から部下をよく見ておく
    ↓
気づき 
 ・「いつもと違う」ことに速やかに気づく 
    ↓
声かけ
 ・ためらわずに声をかける
    ↓
話を聴く
 ・しっかりと話を聴く
    ↓
つなぐ
 ・不安を感じたら、相談窓口や産業医または社外の専門家への相談・受診を促す

声かけについては、間違った声かけ(病気と決めつける・一方的にアドバイスする等)をすることで、症状が悪化するケースもありますので、声のかけ方についても十分配慮することが必要です。傾聴(相手の話を受容しながら聞く)の技法を使って、ますはゆっくりと時間をとり、部下からの言葉を受けとめます。

傾聴の基礎

①出会いの雰囲気づくり
 相談場所・時間の設定、自由に話せる第一印象、服装なども重要

②姿勢,態度,動作
 リラックス 目線の高さを合わせる 身振り手振りを豊かに 腕組は拒絶のサイン

③表情 ,目の動き,声の調子・抑揚
 にこやかに、視線は口もと、目もとを中心に全体を視野にいれておく

④うなずき、相槌
 「あなたの話を聴いていますよ」の気持ちを込めて

⑤つぶやき
 相手の感情のこもった言葉、単語を捉えて口にしてみる
 「こんなふうに感じているのですね」という気持ちで

ここで気を付けるのは、傾聴的な態度を取りつつも、一方では、職場の管理監督者として以下のような対応も必要なことです。

メンタルヘルス不調者への対応のポイント

・とりあえずゆっくり休むように伝える
・早めに産業保健スタッフや医療機関等につなぐ
・仕事の量・質、職場の人間関係等はどうかなどを確認し必要に応じて職場環境を調整する
・重要な決断(退職など)は病気が回復してから決める
・エネルギーが消耗している状態を理解し、感情的に非難したりしない
・腫れ物にさわる遠慮がちではなく普通に接する
・無理に励まさない
・無理に行動を促すことをしない

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