ハラスメント

対価型セクハラ事例

対価型セクハラについて事例をご紹介します。

現在勤務するアパレル系会社は、1年契約のアルバイト入社で、今年3年目になります。
直属の上司で、普段からとても親切なT課長が、私のこれまでの堅実な仕事ぶりを見て、次回の更新で正社員になれるよう、会社の人事に推薦してくれると言ってくれました。
ところが、そのT課長の行動に少し疑問を持つようになりました。と言うのは、3か月前頃から、T課長はことあるごとに、さほど緊急ではないにも関わらず、私と残業を一緒にしたがり、その後には必ず食事の誘いしてくるのです。T課長は既婚者ですので、「ご自宅で食事されないんですか?」と尋ねても「大丈夫だよ。妻は今実家なんだ。」と言っては頻繁に二人になりたがります。普段は、分からない仕事をとても丁寧に教えてくれる上司ですし、何より私を正社員に推薦してくれると言ってくれているので、私も断りにくく、誘いの度に食事にお付き合いしていました。食事中は、会社の人間関係、仕事のこと、趣味のことなどを楽しく会話し、最後には、「あなたを必ず社員にしてあげるからね。」と言ってくれましたので、多少の違和感を感じつつも、親切の範囲内として、自分の中では折り合いをつけていました。

そんなことが数か月続き、また一緒に残業をし、食事に誘われました。そしてその日は、食事の後に、二人でカラオケに行くことになりました。T課長からお酒を勧められ、お断りしたのですが、「僕のお酒を飲めないの?」と言われ、ビールを1杯だけ付きあうことにしました。何曲か楽しく歌い終わった後、次の曲を選んでいた時に、いきなり抱き寄せられて、キスをされました。私はびっくりし、「急用を思い出しました!」と言ってすぐに、お店を出て、逃げるように帰りました。

その日を境に、仕事中に、「僕の気持ちはわかっているよね?」「次はいつ会える?」などと言う内容のメールを頻繁に送ってくるようになりました。翌日からまた何度も食事に誘われましたが、自分でもこの状況はまずいと感じ、家の用事を理由に断り続けました。
T課長からのメールにも、曖昧に返事をして気を逸らそうとしました。
そんな状況が続いた後に、T課長の態度は一変したのです。T課長は、急に私からの業務上の質問や会話に対して、手のひらを返したように冷たい態度や無視をするようになりました。挨拶をしても無視に近い状況で、理由としては、食事の誘いやメールの返信を曖昧にしていたことしか思い当たりませんでした。とても気まずい状況でした。

その状態が数日続いた後に、T課長から久しぶりに食事の誘いがありました。私は気まずい状況を変えたいのと、断り続ける勇気がなくて、食事を一緒にすることにしました。暫くは和やかに会話を楽しみましたが、食事が終わり店を出る際に、「今日、食事に来たってことは、今夜は最後まで付き合えるよね。」と言われ、抱きしめられました。これ以上は無理だと思い、「T課長は上司として尊敬していますが、既婚者の方とお付き合いするつもりはありません。」と腕を振りほどき、走って逃げかえりました。

翌日、T課長から、「昨日の君の態度は大変ショックだった。君への信頼が無くなった。社員への推薦の話も無くなったから・・・」と一方的なメールを送り付けられ、私は茫然自失となりました。その夜、自己嫌悪と悔しさでなかなか寝つけませんでした。一人暮らしで生活に余裕のないアルバイト生活だったため、正社員に引き上げてくれるというT課長の言葉が、私の弱みに付け入り、思いもよらぬ事態を招いてしまったのかもしれません。

このままでは、正社員登用はおろか、今の職場で働き続けるのも苦しくて、T課長が自分を辞めさせるのでは、動悸やめまいが起こるようになってしまいました。アルバイトの自分が会社を辞めることしか道は無いのかと、絶望的な気持ちになっています。

「対価型セクシャルハラスメント」に該当します。

対価型セクシャルハラスメントとは・・・

職場において行われる、従業員の意に反する性的な言動に対する従業員の対応(拒否や抵抗等)により、その従業員が解雇、降格、減給等(労働契約の更新拒否、昇進・昇格の対象からの除外、客観的に見て不利益な配置転換等)などの不利益を受けること。

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