ハラスメント

パワーハラスメント(パワハラ)対策の進め方

今、なぜパワーハラスメントが問題となっているのでしょうか?


現在、職場の人間関係を起因とするトラブルが増えています。
職場間のコミュニケーション不足が一因と考えられます。部下への厳しい指導や人間関係のトラブルは以前からありましたが、パワーハラスメントとして表面化してきているのには、以下の3つの変化が背景にあると考えられます。

経営環境,職場環境の変化

経済のグローバル化による競争の激化と、昨今の人手不足も相まって、一人一人の業務量が過多となり、職場に余裕がなくなっている。管理職自身も業務に追われ疲弊しており、部下一人ひとりに適した指導ができにくい状況になっていること。また、正社員だけではなく、契約社員、パート社員、派遣社員等様々な雇用形態が混在していること。

従業員側の変化

従来の企業の雇用システムである終身雇用制度では、定年までひとつの会社で勤め上げるのが一般的であったため、従業員としては上司から厳しい指導をされても自分の将来を考え、あえて問題にすることはなかったが、労働市場の流動化によって、転職に対する抵抗感が弱まり、また、労働法改正等により、以前に比べ、個人が主張をしやすい状況となっていること。また、地域や家庭、教育現場でも厳しい指導をすることは少なくなり、ストレス耐性が弱まっている若者が多くなっていること。

社会的認知度の向上

男女雇用機会均等法でセクシュアルハラスメント防止について事業主の措置義務が規定されたことで、職場におけるセクシュアルハラスメントへの対応が進んできたことに伴い、企業内におけるその他のハラスメントに対する認識が高まりつつあリパワーハラスメントに対しても苦情を申し立てやすい状況になっていること。

パワーハラスメントが与える影響

  1. 士気の低下、能力発揮に支障が出る
  2. 心の健康問題を発生させる
  3. 職場風土を害する
  4. 解決までの時間と労力に大きなロスを生ずる
  5. パワハラを受けた従業員の心の健康問題に対するサポートが必要
  6. パワハラの加害者や企業の法的責任の追及

このように、一度パワーハラスメントが起きると、企業は大きな損失を受けることになります。
ハラスメントが起きないような、未然防止が何より重要です。パワーハラスメントは職場の人間関係のトラブルの一つです。企業は労務管理の大きな課題ととらえ、また貴重な人材の定着のための取組みとして適切な対策を進める必要があります。

パワハラ対策の進め方

では、どのようにパワーハラスメント対策を進めて行けばいいのでしょう

パワハラの範囲について理解をする

定義

職場におけるパワーハラスメントとは、「職場において、職務上の地位や影響力に基づき相手の人格や尊厳を侵害する言動を行うことにより、その人や周囲の人に身体的·精神的な与え、その就業環境を悪化させること」です

「職場において」 とは

  1. 通常就業している職場
  2. 職場以外の場所であっても、出張先や客先など業務を遂行する場所
  3. 取引先と打ち合わせをするときの飲食店、顧客の自宅等
  4. 勤務時間外の宴会であっても実質上職務の延長である場合
  5. 職場に居なくても、休日に業務上の頻繁な電話連絡がある場合
  6. その他実質上職務の延長線上で行われる場合

「職場上の地位や影響力に基づき」 とは

  1. 上司から部下
  2. 先輩から後輩
  3. 同僚間であってもキャリアや技能に差があるような立場
  4. 立場は下であっても、実際には力を持った部下からキャリアの浅い上司に対してなど  ※地位だけではなく、影響力などが関係します。

「相手の人格や尊厳を侵害する言動」 とは

  1. 言動の内容・程度
    ・刑法上の暴行罪や脅迫罪に該当するもの
    ・相手の人格を否定するような言動
    ・業務上必要のない常識を超えた言動
    ・業務上必要であっても、相当性(表現・回数・態様等)が不適切な場合
    ・感情的や叱責や乱暴で執拗な言動等
  2. 言動の態様
    ・口頭での発言
    ・電話、メール
    ・人事権の濫用
    ・不必要な過重労働の強制
    ・無視する、孤立させる
    ・必要な情報を与えない等

「その人や周囲の人に身体的・精神的苦痛を与え」 とは

労災の業務上外の認定基準と同様、本人がその原因となった出来事をどのように受け止めたかではなく、多くの人々が一般的にはどう受け止めるかという客観的な基準によって評価する必要があります。
直接の対象者のみならず、周囲の従業員についても、苦痛を与える場合があります。

「その就業環境を悪化させる」とは

その人や周囲の人々の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等就業をする上で見過ごせない程の支障が生じること

職場のパワーハラスメントの6類型

厚生労働省では、職場のいじめ・嫌がらせについて都道府県労働局への相談が増加傾向にあったことを踏まえ、「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」を開催し、平成24年3月に「 職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言 」(以下「提言」と言います)が取りまとめられました。提言の中では、定義や類型について、以下のように取りまとめられました。

職場のパワーハラスメントの6類型
1)身体的な攻撃
  暴行・傷害

2)精神的な攻撃
  脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言

3)人間関係からの切り離し
  隔離・仲間外し・無視

4)過大な要求
  業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害

5)過小な要求
  業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと

6)個の侵害
  私的なことに過度に立ち入ること

具体的なハラスメント対策の進め方

1 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発

(1)職場におけるパワーハラスメントの内容・パワーハラスメントがあってはならない旨の方針を 明確化し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。

※例) ○年度 職場のパワーハラスメント防止に向けた取組について

本年度、より働きやすい職場を目指し、パワーハラスメントの研修を実施します。パワーハラスメントは、人権にかかわるものであり、相手の名誉や尊厳を傷つけるばかりか、職場の環境も悪化させる問題です。
そういったパワーハラスメントを発生させないために、当社は、皆さんにパワーハラスメントに関する知識を学んでもらい、より安全で快適な職場づくりを目指します。
また、当社としては、パワーハラスメントを決して許しません。見過ごすこともしません。パワーハラスメントの行為があれば、すぐに上司に相談してください。上司に相談しにくい場合は、直接私に(社内の相談窓口に)相談してください。
よりよい職場づくりを目指し、一緒に、取組を進めていきましょう。

平成29年○月○日代表取締役社長 □□□□

(2)ハラスメントに係る言動を行った者に ついては、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。

2 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

(3)相談窓口をあらかじめ定めること。
(4)相談窓口担当者が、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。また、広く相談に対応すること。

3 職場におけるハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応

(5)事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
(6)事実確認ができた場合には、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行うこと。
(7)事実確認ができた場合には、行為者に対する措置を適正に行うこと。
(8)再発防止に向けた措置を講ずること。(事実が確認できなかった場合も同様)

4 職場における妊娠・出産・育児休業に関するハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための措置(※妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントについてのみ規定)

(9)業務体制の整備など、実情に応じ、必要な措置を講じること。

5 1から4までの措置と併せて講ずべき措置

(10)相談者・行為者のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること。
(11)相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱いを行ってはならない旨を 定め、労働者に周知・啓発すること。1.トップのメッセージを明らかにし、周知徹底させる

 

社労士まつしたによるハラスメント対策支援

トップのメッセージや就業規則や相談窓口の整備とともに、社員のハラスメントに対する、教育研修を行うことが重要です。特に管理監督者は、部下に指揮命令をする立場ですので、誤った指導はハラスメント問題にもなりかねません。
最近の管理監督者は、ハラスメントが怖くて、まともに部下に指導ができないといった悩みを持っています。
また、
「すでに一応の対策を講じているけれど、効果に結びつかない・・・」
「職場でパワハラを疑う問題が起こっている。どうしたらよいかわからない・・・」

このようなお悩みの事業者様に対し、社労士まつしたは、ハラスメント防止コンサルタントとして、ハラスメントに係る問題を分析・解決いたします。
貴重な人材が、ハラスメント問題で退職することのないよう、快適職場づくりのよきパートナーとして3つの支援をご提案いたします。

① ハラスメント対策総合支援・・・
ハラスメント対策を講じたことのない事業者様、対策を講じているものの、効果が出ていない事業者様向きのサポートです
(実施期間2~3か月間)

② ハラスメント対策諸規定・研修支援・・・
ハラスメント防止のための諸規定策定と研修の実施をご希望の事業者様向きのサポートです
(実施期間2か月間)

③ ハラスメント対策研修支援・・・
ハラスメント防止のための研修をご希望の事業者様向けサポートです
(実施期間1か月間)

① ハラスメント対策総合支援

1.現状分析
●職場環境の評価・・・担当者からのヒヤリング実施(90分程度)

2.職場実態把握(アンケート調査など)
●企画から実施、問題分析 等 (質問票のご提供、集計・分析の実施)

3.改善支援や社内研修の企画提案
●ハラスメント規程等の整備支援 (ハラスメント防止規程・指針などの策定支援)
●事案解決のための体制づくりの支援(担当者へのフォロー)
●職場の実情にあわせた研修の実施(一般向け、管理監督者向け 各90分づづ)

価格・・・1~3すべてパッケージでご提供 220,000円(税込)~

② ハラスメント対策諸規定・研修支援

1.現状分析
●職場環境の評価・・・担当者からのヒヤリング実施(60分程度)

2.改善支援や社内研修の企画提案
●ハラスメント規程等の整備支援 (ハラスメント防止規程・指針などの策定支援)
●職場の実情にあわせた研修の実施(一般向け、管理監督者向け 各90分づづ)

価格・・・1、2のご提供で110,000円(税込)~

③ ハラスメント対策研修支援

1.現状分析
●職場環境の評価・・・担当者からのヒヤリング実施(60分程度)

2.社内研修の企画提案
●職場の実情にあわせた研修の実施(一般向け、管理監督者向け 各90分づづ)

価格・・・ご提供で55,000円(税込)~

※価格は目安であり、事業場の人数や実情に応じその都度見積もりを提示させていただきます。

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研修の時間の夜・早朝対応も可能です。

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